稲の生長
2007年 10月 26日
紅葉が色づく頃、青々としていた水田も黄金色に変わります。日本を代表する風景のひとつに水田の情景があります。その水田の中で、お米はどのように育っていくのでしょうか?
良い苗を作れば、米作の半分は終わりという意味で「苗半作」という言葉があります。それほどに、苗作りは大切。丈夫な苗を作るため、昨年収穫した種もみを選ぶことから米作りは始まります。
選ばれた種もみだけを、水田とは別の場所にまき、まず発芽をさせます。水に浸して5日ほどたつと種もみから白い芽が出てきます。約1ヶ月後、10センチほどに苗が生長すると健康なものを選び、いよいよ田植えの段階です。
皆さんも、初夏の頃、整然と一定の間隔で苗を植えた水田を見たことがあるはず。一本の苗は、育っていく過程で根元から次々と新しい茎に分かれ増えていきます。これを「分けつ」といい、稲が生長していく過程の特徴なのです。
夏の暖かい太陽の光と水をたっぷりと吸い込んで、1~2カ月かけて稲はどんどん葉を増やしていきます。分けつ期も最終に近づくと、その稲の茎の下の方では、穂の赤ちゃん(幼穂)が育ち始めます。幼穂は、稲の最後の葉である止葉に包まれ育ちます。やがて、穂が完全に茎から出てくる出穂と同時に、稲のかわいい花も咲きます。その後、約45日間かけて穂が成熟し、これを収穫したものが、私たちの食べるお米になります。
約5カ月の自然の恵みと人の手をかけて大切に育てられる農作物がお米なのです。
発芽
まず、塩水に沈む重い種もみだけを選びます。約半年眠っていた状態の種もみはすぐには発芽しません。寒い地方では、ボイラーで温め、十分な温度と水分を与え発芽させます。
生育初期
苗床で発芽させ、丈夫で健康な苗を作るため大切に育てられます。田植え前までに水田を耕すなどの整備をし、十分に育った健康な苗だけを水田に植えていきます。
分けつ期
水田に植えられた苗は、たっぷりの水や養分を吸って生長し、最初に出た茎の根元から分けつして増えていきます。3~7本を一株にして植えると最高で40本程度まで増えます。
穂ばらみ期
根元で形成される幼穂は、稲の最後の葉となる止葉に包まれて生長していきます。やがて、生長が進んだ幼穂は、くるまっていた止葉を押し分けて顔を出します。
開花
成熟期
オシベの花粉がメシベにつくと、受精は完了です。閉じた殻の中では、メシベの根元部分の種子になる所に、葉の光合成で作られた養分がどんどん送り込まれ、ふくらんできます。
黄熟期
茎を通して送られた養分で十分に種子が生長していくと、重みで今までまっすぐに立っていた穂が垂れ下がっていきます。稲穂が黄金色に変わってくると、いよいよ収穫期です。
