ササニシキの飽くなき挑戦
2008年 11月 14日
現在、日本で流通しているお米の大半が、コシヒカリを源流にした品種になっているのを
ご存知でしょうか?
「あきたこまち」や「ひとめぼれ」、「ヒノヒカリ」などの元を辿ってみると、コシヒカリにたどり着くのです。
なぜコシヒカリ系が多くなったのかと言うと、食味が良く、気象の変化に強いので、安定した収穫が望めるからです。
そんな中、現在のコシヒカリ勢力に対抗すべく研究が重ねられているのが、ササニシキ勢力です。
もともとササニシキとコシヒカリは同じ親を持つ兄弟です(農林22号×農林1号)。
かつてササニシキは、その食べ飽きないサッパリとした味わい好まれ、コシヒカリにも劣らない人気品種でした。
しかしコシヒカリと決定的に違うのが、気候の変化、特に冷害の被害を受けてしまう耐冷性の低さと、風などによる倒伏に弱く、品質を落としやすいと言う点でした。
これによって良品の安定供給が出来ず、それを可能にしたコシヒカリに人気を奪われていったのです。
しかし食味の良く以前から人気の高かったササニシキを求める声と言うのは無くなることはなく、逆に米の食べ方の多様化によってサッパリとした食味が特徴的なササニシキに需要が多くなってきたということから、現行の生産性の低いものから、生産性の高いササニシキの後継品種を生み出そうという流れが出てきました。
ササニシキの後継となる条件としては、「耐冷性」と「耐倒伏性」の向上と共に、ササニシキに劣らない食味の良さが求められます。
日本で1番のササニシキ栽培地である宮城県では、ササニシキの後継品種の開発が以前から進められてきましたが、食味は同等ながらも耐久性が上がらないという結果が多く、またササニシキ独自と言う、サッパリ感の中にコシヒカリ系に見られる粘りが絶妙に混在するという食味がなかなか生み出し切れない結果がありました。
このほど宮城県にある古川農業試験場にて研究開発されたササニシキの後継品種という「東北194号」は、ササニシキに対して、コシヒカリ系列であるひとめぼれを掛け合わせ研究を進めたところ、「耐倒伏性」は若干弱いものの倒伏後の品質低下が少なく、「耐冷性」は強いという結果が得られ、ササニシキ以上の耐久性による高生産性が期待できるものとなった。
食味は、ササニシキの特徴的な食味を再現するために、炊飯特性に着目し、ササニシキを同じ系統のデータを示したものを選抜し育成するという手法で研究を進めた結果、ササニシキと同等かそれに優るデータを得ることに成功し、官能試験(実際に人が食べて食味や食感を比較する試験)や成分分析においても同様の結果が得られた。
本来ササニシキと掛け合わせるのはそれに近い品種が考えられましたが、系統の異なるひとめぼれを掛け合わせるという実験的研究がよい結果を導き出したのです。
これもササニシキとひとめぼれが同じ古川農業試験場で生まれたと言う土壌があっての事と思います。
今後は実際に育成地での栽培結果を踏まえて本格的な生産に入ると思われます。
産地では「コシヒカリを超える品種」として期待されているそうです。
